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郡山公聴会(人見やよい)の意見表明

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私は郡山市に住んでおります人見やよいと申します。よろしくお願いいたします。私は一市民の立場から、放射性物質を、海であれ、空中であれ、環境中に放出しないでほしいという意見を述べさせていただきます。

1.公聴会の前提は完全に崩れている。
先ほどから何度もみなさんから声が出てますけれども、公聴会の前提は完全に崩れています。「トリチウム水を海洋放出すべきでない」という主旨で意見をまとめようとしている最中、「ALPS処理水の中にトリチウム以外の核種が基準値を超える値で含まれている」との報道がありました。非常に驚き、私は「また騙されていたのか」という思いを強くいたしました。また、肝心のALPSは未だホット試験中で、タンクの残留放射性物質を計っていないという東電会見も聞き、耳を疑っております。
「処理水に残っているのは、環境影響の低いトリチウムのみ。だから流させてほしい」という主張を、経産省も、原子力規制委員会も、事業主体である東電もしてきていましたし、報道でも未だに「トリチウム水」という呼び方がされております。
昨日の公聴会でも、それから先程来も、「小委員会の第一回から説明してきた」というような解説が入ってますけれども、とてもではないですけれど「トリチウム以外の核種の、複数回に及ぶ告示濃度超えの情報が報告されて、議論の俎上に上がってきた」とは言えない状況だと思います。
つまり、議論の前提条件は崩れているのですから、公聴会をやる意味すらなくなっていると思います。私は、この公聴会、中止の連絡が来るんじゃないかと、本当に思っていました。ですけれど、呼ばれた以上、こうしてしゃべらせていただいております。
これからは、基準値超の放射性廃棄物汚染水の処理方法については、科学者と専門家による話し合いから再スタートしてほしいと思っています。

2.海洋放出プランが唯一の選択肢ではない。
海洋放出プランが唯一の選択肢ではありません。5つのプランを読みました。どうしてここに「保管用の大型タンクを増設して放射能の自然減衰を待つ。科学技術の発展を待つ」という第6のプランがないのでしょうか。初めから安価で実現性の高い方法として海洋放出のプランが燦然と輝いていたので、空中散布だの、地底埋設だの、荒唐無稽なプランが登場していたのではないでしょうか。「東電敷地にタンク増設の土地がない」という主張も耳にしますけれども、本当でしょうか。「海洋放出すればいい」という固定観念で考えるから土地がないだけではないのでしょうか。廃炉となる福島第二の広大な土地もあります。「大型タンクで長期間安全に保管する」という選択肢を増やして、抜本的な検討のし直しをしてください。先程来から、多くの方から声が出てますけれども、コンビナートで使われている大型の石油タンク、長期間の保管に適しているそうです。ぜひ使っていただくという方向で考え直していただきたいと思います。
また、トリチウムの半減期は12.3年で約120年保管すれば放射能も1000分の1に減衰する、という話です。たったの120年です。そのくらいの保管ができなくて、今後、使用済み核燃料の安全な保管なんかできるんですか。そんなこともやれないで、「海に流します」なんて言っている人たちに、私たちの安全を任せるわけにいかないと思います。国も東電も、「流せばいい。安い。早い」ではなく、「これ以上の被ばくをさせない」という姿勢で取り組んでいただきたいと思います。

3.誰が責任を取るのか。
「トリチウムの健康への影響は低い」との主張で海に流そうとされていますが、カナダのオンタリオ州ピカリング原発では、トリチウムとダウン症の発症件数に因果関係を示すデータがあるそうです。「トリチウムはリスクが低いのに、無知な市民が必要以上に怖がっているだけ。必要なのは正しい情報」という考え方もあるかもしれませんが、健康影響がないのではなくて、未だ判明されていないだけだと思います。
あの、事故前もね、非科学的な無知な市民はただ騒いでるって言われてました。全電源喪失があるんじゃないかとかね、メルトダウンがあるんじゃないかって、私たちが言う度に「無知な市民だ」とたぶん専門家の方からは思われていました。だけれども、その無知な市民が警鐘を鳴らしてきたことが現実のものになったではありませんか。それを考えたら、「トリチウムに健康被害はない」なんていうことを鵜呑みにすることはやっぱりおかしいと思うんです。
今後、将来世代に多大な被害が出た場合、その責任は誰がどのように取るのでしょうか。海洋に一旦放出してしまったものは二度と回収ができません。国際問題に発展する可能性もあります。福島だけでなく、太平洋側の漁業者・漁協関係者にも説明し、理解と許可を得る必要があると思いますし、何よりも消費者である、全国民の理解と納得が必要だと思います。

4.故意に流していいはずがない。
故意に流していいはずがありません。苛酷な放射線被ばくに晒された福島で、放射性物質をこれ以上、拡散しないでください。
「閉じ込める、減衰を待つ」これが最善の方法なはずです。漁業者にも、消費者にも、アジアの国々にも、これ以上の迷惑をかけないようにしたいと思います。

さいごに。
これまでも、公聴会、パブリックコメント、いろいろ募集の度に、いつも大多数の国民の意見はスルーされてきました。それは本当にね、そもそも国民の意見なんか聴く気はないけど法的な手続きがあるから聴いてやるんだと、言っているような気持ちすら、私は覚えています。だけど今回のこの公聴会がね、民主主義の下で多数の意見を反映させて、今までの方針を撤回する初めてのレアケースになるんじゃないかと思って、本当に心から期待しています。
委員のみなさまが、この3回の公聴会で、ほぼ、ほとんどの方が海洋放出反対の意見を述べています。賛否あったんじゃなくて、ほとんどの方が反対をしているんです。そのことを委員のみなさまが受け止めて、海洋放出に待ったをかけてくださることを願って、以上を私の意見といたします。
ありがとうございました。
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プロフィール

やいちゃん

Author:やいちゃん
福島県郡山市在住フリーライター、国会ウォッチャー、東電裁判傍聴人。
好き「平和、自由、仲良し」
嫌い「カルト、セクト、マルチ、アベ政権、核」

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